絹の白化
ケース①
- ・紺色の絹のセーター。着用数回でわきの下が白くなった!
(図1・2)
ケース②
- ・ウォッシャブルシルクのブラウスにシミをつけたのでつまみ洗いをしたらその部分が白くなった。
どんな現象?
- ・絹の主成分はフィブロインとセリシンという蛋白質です。1本のフィブロインは100本くらいのフィブリルから成る繊維状の物質で、セリシンはフィブロインを包んでいるにかわ状の物質です。(素材一覧参照)
糸や製品にする場合はセリシンを除去してフィブロインだけにします。
絹は摩擦されるとフィブロインがバラバラになりフィブリル化します。(図3・4参照)
これらのケースは湿潤状態で擦られたため絹繊維が細かく分かれてしまい、光の乱反射によって、白く見えたものです。
原因は?
- ・着用や洗濯時の摩擦作用によるものです。特に着用時に汗をかいたり、洗濯などの水を使う条件下で摩擦作用が加わるとフィブリル化が生じ易いです。また、濃色のものは白化すると目立ちます。
どうしたら防げるの?
- ・汗が付着し易く摩擦され易いわきの下には汗取りパット等を使用しましょう。また、洗濯時にはもみ洗いせずにやさしく押し洗いして、なるべく摩擦作用を加えないようにするとある程度防止出来ます。シミを付けた場合もこする事は避けましょう。